$B_{1}$と$B_{2}$が$G$の全域木であり、$e$が$B_{1}$の辺ならば、 $B_{2}$の辺$f$で$(B_{1} - \{ e \}) \union \{ f \}$ (すなわち、$B_{1}$の$e$を$f$で入れかえて得られるグラフ)も、 $G$の全域木になるような$f$を見つけることができる。 同様な結果が、ベクトル空間についても成り立つ。 この性質を抽象することにより、マトロイドの第一の定義を得る。
マトロイド$M$とは、空でない有限集合$E$と、$E$の部分集合の空でない族${\cal B}$の対で、 以下の条件をみたすものを言う。
${\cal B}$の元を、$M$の基と呼ぶ。 マトロイド$M$のどの基にも、同じ個数の元が含まれている。 その個数のことを、$M$の階数(rank)と呼ぶ。
\[ A \in {\cal B} \iff f(A) \in {\cal B}' \forall A \subset E \]をみたすものが存在するとき、$M$と$M'$は同型(isomorphic)であるという。